くるぶしを悔やんで歩く春の雨
白湯さます太田胃散を趣味で飲む
たゆたゆと揺すれば 溶けてゆく名前
陽炎の匂い横須賀線のあお
きんぽうげ ぽうの部分で銃のゆび
北の窓開いて盛れよアイシャドウ
ひび割れに ひかりを抱くアスファルト
ブランコゆれる ゆるすゆれれば ゆるさなければ
冬の山腕いっぽんで星を獲る
屋上の柵飛び越えて冬を干す
春動く炭酸水を喉に刺す
知恵の実にぎりりと痛む抜歯痕
常識を崩す力でほどく髪
くちびるの皮のおうとつ、 数えあう
ぽうぽうとアッサム跳ねる三角錐
私家版を撫でて一日を終わらせる
炭酸を今日は振らずに手渡した
くちづけた方が負けると 知っていた
持ち点をひとつ減らして 目を合わす
崖線を駆ける間の恋でした
砂浜の 読んではならない部分を歩く
しんしんと 怒りは積もるブラウスに
王林のかおりを刻む七時前
左手に異なるひかり宿らせて 並行という永遠をゆく
窓際のポリシャスの葉を毟る日々
軟膏の奥に桜の香りして
愛しさを柔軟剤のせいにする
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